組織分析アドバイザー®が工場・倉庫の組織診断をいたします
2025年9月6日【探求の時間】やめる人が多い会社はココがマズい!仕事環境の4つの視点の連鎖が引き起こす組織崩壊のサインとは?
2025年9月21日
なぜ差が生まれる?成長企業100社調査で判明した「伸びる組織」の働き方と文化
同じような業種・規模の工場があったとして、成長する企業とそうでない企業に分かれるのはなぜでしょうか。過去に関わった中小工場100社を比較分析してわかったことをもとに、その差を生んでいる要因を探っていきたいと思います。
会社を比較して見ると、単に業績が良いか悪いだでけでなく、その背景に組織の体質のような部分に成長のカギがあるということが分かってきます。今日紹介するのは「成長する企業は、社員に対する動機づけのアプローチが違う」ということです。
停滞する会社は給与や評価など外から与えられるもの-外発的な動機づけに頼る傾向が強く、一方で成長する企業は、給与アップと同じくらいかそれ以上に仕事の裁量権が大きいほうがモチベーションにつながるということです。
これは目標設定のやり方にも直結してきて、前者の場合は上から目標が降ってくる、反対に後者の場合は会社の大きな目標・ビジョンをふまえたうえで社員が自分でこうしたい、と自ら目標を立てていくのです。すなわち「やらされてる感」ではなく、これは自分の目標なんだと思える環境が大きいということです。
ところで、社員が自分ごととしてとらえる姿勢が日々の働き方にどうつながっていくのでしょうか。それは指示待ちか自分から動く-自律的に動くかという違いに現れてきます。成長企業では、メンバーが目標に対して自分で考えて自分で動くようになっており、そしてリーダーはどちらかというとその伴奏者、サポーターの役割を果たしています。
ここで注意したいのは、放任とは違うという点です。成長企業ほど、誰が何をどこまで進んでいかが明確になっていて、情報共有の仕組みがしっかりとしています。それがクリアだからこそ、自律的に動いても混乱しない、むしろ無駄な重複作業や仕事の偏りが劇的に減るということがあります。すなわち自律性と情報共有はセットなんです。
では、上司からの指示が全くないと、逆に非効率になったり混乱したりということはないでしょうか。この点については、成長する企業では期待される役割、判断の基準が明確になっていて、自由に動ける範囲が示されている。その範囲の中でどんどん挑戦していいよという雰囲気で、失敗してもそれは次に生かす学びの機会だという文化があります。範囲が明確だから、安心してチャレンジできるし、情報が共有されているから、他の人とも連携しやすいということです。
そうするとチームとしての動き方も自然とかわってきます。停滞しがちの会社では、「自分の仕事さえ終わればOK」「あの人の仕事は自分には関係ないや」という雰囲気になりがちですが、成長企業の場合はお互いの進捗が見えているから、「ちょっとあそこ大変そうだ手伝おう」とか、「ここは一緒にやったほうが効率がいいよね」という動きが自然と出てくる。たとえばA社では週に1回、困りごと共有会というものをはじめました。週に1回、各部のメンバーが出席して自部署や部署間横断の問題について話し合います。それを1年続けた結果、部署間のカベが低くなって、連携がスムーズになって、結果的に全体の生産性が上がったという例があります。
評価の仕方についても違いが出るものでしょうか。
成長企業では、上司の個人的な感覚や好き嫌いではなく、会社としてこういう品質を求めるという明確な基準がある。単にたくさんこなせばよいというだけでなく、この仕事がどういう価値を生むのかという目的を理解して、質を高めることが奨励される。
また、質を向上させるために教える仕組み、学べるしくみが整っているかどうか。これがないとできる人の仕事が集中してしまい、その人が抜けたらおしまいという属人化が進んでいくことになり、組織として成長が止まっています。ほかに、負担が偏らないように、それぞれの強みをいかせるような役割分担、これも成長企業のほうがより意識されています。
ここまで考えてみると、単に個別の仕組みの存在というよりは、社員の自律性や協調性とかを引き出して、それを組織全体で支えていこうとする文化、それが成長する会社を形作っているということです。
個々の能力も大事ですが、それ以上に組織として継続的に学んで変化に対応していける土壌があるかどうかも重要です。表面的な、はやりの施策を試してみてもなかなか同じような成果がでないというのは、この根っこにある考え方とか価値観が違うからかもしれません。
さて、今日紹介した成長する会社の特徴である「動機づけのアプローチが違う」という点。あなたのまわりはどうでしょうか。もしさらに良くできる点があれば、それはどんな部分でしょう。日々の仕事の中で意識してみることで何か新しい発見があるかもしれません。
株式会社技術経営フロンティア・代表コンサルタント。中京大学大学院ビジネスイノベーション研究科修了・修士(経営管理学)。日本中小企業学会、日本物流学会所属。公益社団法人日本バリューエンジニアリング協会正会員・専門家登録(Value Engineering Specialist)。