【探求の時間】成長加速の鍵は「守・破・離」-成長のフレームワークを考える②
2026年3月14日【探求の時間】仕事に対する熱意はどこからくるのか?熱意のある人・ない人の違いについて考える②
2026年3月14日
仕事に対する熱意はどこからくるのか?熱意のある人・ない人の違いについて考える①
同じ仕事をしていても、熱意をもって仕事に取り組んでいる人とそうでない人がいます。その違いは何でしょうか。その人の性格やモチベーションの違いでしょうか。とするとそのモチベーションの違いはどこから来るのでしょうか。今日は、仕事の熱意の差の違いについて考えてみたいと思います。
熱意があるかないかの違いは、性格や気合の問題ではなく、その仕事をどのように認識し「意味づけ」をしているかの違いによります。全く同じ物理的な作業であっても、頭の中の意味づけのプロセスが変わるだけで、そこから生み出されるエネルギーの量は大きく変化するということです。
意味づけとは、具体的にどういうことでしょうか。単純に「これは楽しい仕事だぞ」と自分に思い込ませることではありません。意味づけのポイントは2つあります。一つ目は、仕事に対してなぜそれが大事なのか、自分にとってどういう意味を持つのかの明確な理由付けができること。二つ目は、これはただの作業ではない、意味のある価値のある行動なんだという深い理解と納得感です。この二つが揃うと人はその仕事に対して内発的になるのです。この内発的という状態が今日の話の重要なキーワードです。
意味づけは、内発的に仕事に取り組むための工夫であり要素であります。人は外部から強制され「やらされ感」の中で仕事をしているうちは大きな力を発揮できません。外部からの押し付けから仕事をしていると精神的にも肉体的にも疲労を感じやすくなります。だからこそ理由付けと納得感が大事になります。これは単に素晴らしい仕事だから、と自分を納得させようとするのはまだ外部からの押し付けにすぎません。しかし、なぜ大事なのかという論理的な理由を自分自身の価値観と結びつけて、自分自身の内側から納得する腹落ち感を得られたとき、それは外部からの強制ではなく、内発的な動機に変わります。
ある工場で、こんな光景を見ました。その会社では就業前に5分間清掃ということを行っています。就業時間の最後の5分は作業員全員が職場の清掃をします。その5分間の行動を観察してみると、ただホウキを持ってプラプラと歩いている人もいれば、ぞうきんを手にもちつつも隣の人とおしゃべりしている人もいます。一方で、掃除の時間になったらザッと道具を持って動き出し、脚立がすでに用意してあって部品棚の清掃を力いっぱいにしている人がいました。5分しかないぞ、といいながら。さてこの違いは何でしょうか。後者の部品棚の清掃に熱心な人に話を聞いてみると、この5分にやることを週単位で決めていて「掃除をやることで皆が部品の取り出しに迷わない」「部品の良い状態が保たれて良い作業ができる」「一つ一つの部品に目が届くので不足や異常にも気づける」などと話してくれました。
掃除の時間におしゃべりをしている人は掃除を「やらされ仕事」と解釈しているので、面倒なことのように思い、はかどりません。一方で後者の部品棚の清掃に熱心な人は、掃除の時間に対して何らかの意味を見出しています。このように思考が違うと、両者の行動は大きく変わってくるのです。
(仕事に対する熱意はどこからくるのか?熱意のある人とそうでない人の違いについて考える②につづく)
株式会社技術経営フロンティア・代表コンサルタント。中京大学大学院ビジネスイノベーション研究科修了・修士(経営管理学)。日本中小企業学会、日本物流学会所属。公益社団法人日本バリューエンジニアリング協会正会員・専門家登録(Value Engineering Specialist)。