【探求の時間】生産性の誤解を解く4つの成長戦略②
2025年12月15日中小企業大学校・東京校様において在庫管理研修を実施
2026年1月31日
生産性の誤解を解く4つの成長戦略③
前回まで、生産性を上げるための4つの戦略として、戦略①、戦略②、戦略③について話してきました。今日は戦略④からです。
戦略④ インプットとアウトプットを両方増やす(ただしアウトプットの増加率をインプットよりもはるかに大きくする)
この戦略は、インプットを増やしている点に特徴があります。インプットを増やすのになぜそれが生産性向上になるのでしょうか。
これは成長のための投資戦略だからです。
たとえばあなたが小さなカフェのオーナーだとして、お店が満員で、これ以上お客さんを呼べずに売り上げを伸ばすことができない、という状況だとして、この状況で売り上げを伸ばすにはどうするでしょうか。
店員にもっと素早くコーヒーを入れろと発破をかけたところで無理があります。そこであらためて投資資金を用意して、お金をかけて店舗を拡大し席数を2倍にするとしたらどうなるでしょうか。これはお金を使った分だけインプットの増加ですので、一見すると生産性は下がるように見えるし、リスクも高い。もし席を増やしたとしてお客さんが来なかったら目も当てられない。しかし、投資によって実際に客数が倍以上に伸びて売り上げが大きく増えるということがあれば、成長投資になります。戦略④はここが重要なポイントでもあります。この戦略が成功するかどうかはアウトプットである売上や利益の伸び率が圧倒的に伸びるかどうかにかかっていますから、この予測と検証が重要になります。
この戦略は、コスト削減だけが生産性向上ではないという重要な事実を教えてくれます。未来のリターンの為に、今かしこくリスクを取ってインプットを増やすという判断もまた、生産性を高める戦略であります。
まとめ
ここまで見てきた生産性を高める4つの戦略ですが、それぞれに異なる哲学があります。こうして全体を振り返ると、出発点だった「生産性=アウトプット╱インプット」という無機質な数式が、生き生きとした選択肢に満ちた「戦略マップ」に見えてきます。
インプットとアウトプットの定義を広げて、4つの道を学んだことで、日々の仕事の悩みがこのマップのどこに位置するのかを考えられるようになりそうです。
ただ忙しく動き回ってインプットを消費するのではなく、インプットからアウトプットへの変換プロセスそのものをどうデザインして価値あるものにしていくか。それこそが生産性を考える上での本質ではないでしょうか。
株式会社技術経営フロンティア・代表コンサルタント。中京大学大学院ビジネスイノベーション研究科修了・修士(経営管理学)。日本中小企業学会、日本物流学会所属。公益社団法人日本バリューエンジニアリング協会正会員・専門家登録(Value Engineering Specialist)。