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2022年6月19日中小製造業・小規模工場の製造現場において作業手順書が必要な理由
2022年6月19日
フロンティアの小林です。経営コンサルティングでかかわった小規模工場100社を分析して明らかになった小規模工場マネジメントの成功要因を紹介しています。今日のテーマは「工場・製造現場の改善活動が活性化しない理由は何か?」です。
【要約】
工場・製造現場の改善活動が活性化しない理由を①改善提案が出ない、②改善成果が出ない、③改善活動が続かない、④改善成果が企業成果に結びつかない、⑤改善活動が経営活動と連動していない、の5つに分けて整理してみました。
改善活動が続かない理由は何か?
小規模工場の改善活動を継続し、改善活動から成果を上げていくためには社員の間に共通の目的があることが大事です。
改善活動がすぐに続かなくなる、定着しない、マンネリ化する、いずれ自然消滅する・・・改善活動がなぜ続かないのか?多くの工場で実際に起きている実例を参考にして、工場の改善活動が活性化しない理由を整理しました。
改善提案が出ない
・改善活動のやり方をしらない、方法を学んでいない
・改善活動のテーマがわからない、テーマを立てられない
・改善すべき問題を見つけられない
・改善活動をする目的がわからない
・改善活動に対して否定的、非参加の態度をとる
・改善ということについての無力感、やってもムダ意識がある
改善成果が出ない
・改善のプロセスがみえない、何をやっているかよくわからない
・改善の成果が見えない、うまくいったのかどうかよくわからない
・改善測定の技術がない、成果が出ているはずなのに表現できない
・周りの協力を得られない、部署をまたぐ問題になると協力が得られずとん挫する
・習慣を変えられない、改善したとしても結局すぐにもとに戻ってしまう
・現状分析ができない、現状がわからないから改善後の成果もよくわからない
改善活動が続かない
・改善活動の新しい視点が見つからない、いつも同じようなテーマに取り組んでいる
・改善活動に参加するメンバーが偏っている、新しい意見がない
・改善活動が局所的、個人的な活動になっており、全社的活動になっていない
・次の目標が立てられない、長期の目標・目的がない
・現場任せでサポートがない、会社のサポートがなく活動が続けられない
・改善のプロセスが標準化されていない、みなバラバラに思い思いに活動している
・改善活動に取り組むためのまとまった時間がない、仕事をしながら改善するのが難しい
・せっかく改善しても評価がない、むしろダメだしされて冷めてしまう
改善成果が企業成果に結びつかない
・改善活動をした結果、改善成果を具体的に把握できない
・そもそも成果が何なのかがわからない
・成果を金額に表せない、金額にこだわりすぎて数字いじりになる
・成果金額が低すぎる、金額にすると低すぎて残念に感じる
・見せかけの利益、形だけの改善、フォローがなく何か月すると立ち消え
改善活動が経営活動と連動していない
・改善活動が事業計画と連動していない、改善活動の成果が事業計画の達成に結びついていない
・改善活動が利益計画と連動していない、改善活動の成果が利益創出につながっていない
・改善活動の成果が人事評価と連動していない、評価が見えない
・改善活動への取り組みが人材育成と連動していない、技能向上と結びつかないテーマでモチベーションが上がらない
改善活動を活性化するには?
改善活動が活性化しない、続かない、マンネリ化しているような場合には、上記の問題点を踏まえ、当てはまるものを一つ一つ、原因を掘り下げて、対策を考え、実行していくことが必要です。
方法として、問題点を反転させて目的にし、目的を達成する手段を考えるようにします。
例)
改善提案が出ないのは、問題を見つけられないからでである・・・という場合には、言葉を反転させて・・・
現場作業から問題点を見つける、問題点を発見するための視点を教える
→そのためには、何をしたらよいか?を考えるようにします。
改善成果が出ないのは、成果測定の技術がないからである・・・という場合には、言葉を反転させて・・・
成果測定の技術を教える、身に付ける、トレーニングの機会を設ける
→そのために、具体的に何をすればよいか?というように考えるようにします。
改善活動が続かないのは、現場任せでサポートがないからである・・・という場合には、言葉を反転させて・・・
活動のサポートをする、サポート体制をつくる
→そのために、具体的に何をすればよいか?というように考えるようにします。
このように、改善活動の活性化に対して考え得る問題点を洗い出し、洗い出した問題点を反転させて目的を設定し、これを実現するための手段を考え、実行していくようにします。
株式会社技術経営フロンティア・代表コンサルタント。中京大学大学院ビジネスイノベーション研究科修了・修士(経営管理学)。日本中小企業学会、日本物流学会所属。公益社団法人日本バリューエンジニアリング協会正会員・専門家登録(Value Engineering Specialist)。